ママがライバル
長女の彩音は武蔵野音楽大学附属高校のピアノ科の3年生。私自身も、そして私の妹妹達も自分の行きたい音楽学校へ入ったので行った学校はバラバラです。私は大好きなピアニスト、そして恩師である井上直幸先生のいらっしゃる桐朋へ高校から入りました。彩音も色々な音楽学校の生徒さん達が出演していたコンサートへ行き、感動した生徒さんが武蔵野音楽大学附属高校だったので、その生徒さんのついている先生に習いたいと熱望し入学しました。そんな風に学校を決められるのは、とても幸せなことだと思います。そんな彩音がTwitterで母の日につぶやいてた言葉・・・
もう、ライバル視ですか(笑)!それには理由があります。少し前のコンサートで私はショパンのバラードの1番を演奏しました。同じ時期に彩音もその曲に取り組んでいました。私が自分の理想通りに弾けないでいた時期に、私は、彩音の先生でもある私の母と一緒に本番を控えた彩音の演奏を聴きました。そして私が言ったのは「聴いたら落ち込むかと思ったけど、そうでもなくて良かった!」(笑)。彩音は真面目に悔しい!と思った、と後で言っていました。ふふふ・・・そんなことを言い合えるようになったんだね〜。嬉しいような悲しいような複雑な心境だけれど、同じ音楽性を追求する同志として、切磋琢磨し合える仲間がいるのは心強いものです。フィギュアスケートの浅田真央ちゃんがキム・ヨナ選手に対して「幼い頃からキム・ヨナ選手と競争して、私も成長することができた」というコメントをしていた・・・その意味、本当によく分かります。
と、同時に、よくお母様が「私は全然、音楽が分からないから・・・」と言われている場面に遭遇しますが、子供たちはそれでも側で見守り、聴いててくれる家族がいるから頑張ろうと思うものだと思います。誰かに聴かせたい、聴いてもらいたいという想いは、努力の大きな支えになる。それはアマチュアもプロも同じ気持ちだと思います。